私たちは様々な会社で理念づくりや理念浸透のお手伝いをして参りました。
その時に必ずお話することがあります。それは「理念はつくるものではなく、社内に既にあるものです」という言葉です。
理念とは自分たちの会社が大切にしている価値観のことだと、私たちは考えています。この会社で働く上で、絶対に忘れてはいけない価値観が「理念」です。
例えば私たちが理念づくりのお手伝いをさせて頂いたある会社が「『みんな』を大切にする会社」という理念を創りました。
その会社では、新規事業を考えよう!となった時にもやはり「みんな」が参加して考えるプロジェクトを立ち上げました。
全社員がランダムに参加する場をつくり、それぞれが持ち寄ったアイデアを出し合い、出てきたアイデアをまとめたり整理したりしながら新規事業を創っているのです。
会社の目標も、目標達成を目指すプロセスも、全社が一丸となって目指せるよう、みんなで考えて行動します。
誰か特定の人だけが考えたり頑張ったりするのではなく、みんなで協力し、みんなで知恵を出し合いながら目標に向かいます。
「『みんな』を大切にする会社」という理念をとても大事にしているからです。
私たちが考える「理念」とは、そういう社内に向けた「約束」「ミッション」であり「大切な価値観」なのです。
一般的には「理念」とは会社の理想像とかあるべき姿だと言われています。もちろんその通りだと私たちも思っています。
ですが、理念を創る際に様々な文献や他社の事例を元に、外から借りてきた言葉で美辞麗句を並べたとしても、社員が共感しにくい言葉になってしまいがちです。共感しにくい言葉で理念を作ったとしても、中々浸透させることはできません。
だからこそ、「こんな会社になりたい」という願いや希望を言葉にするのではなく、既に会社の中にある魅力、長い間頑張り続けてきた社員一人ひとりが無意識に感じている「会社の魅力」を引き出し、言語化することで浮かび上がってくる価値観こそが「理念」なのだと、私たちは考えているのです。
先ほど事例に挙げた「『みんな』を大切にする会社」という理念も、長く勤めてきた社員さんたちが感じてきた会社の魅力、この会社で頑張り続けてきた理由などを徹底的にヒアリングしていった中で浮かび上がってきた言葉です。
「理念は既に社内にある」というのは、そういう意味なのです。そういうプロセスを経て紡ぎ出した言葉だからこそ、瞬く間に社内に浸透するのです。
御社でも是非、そういう理念を創って、社内に浸透させて欲しいと思います。